「心身ともにたくましい子」を育てる さいたま市南区の 浦和つくし幼稚園
園ブログ
 活動の様子や子育て応援メッセージをお伝えしていきます。

2014年03月19日

お母さん、しゃべりすぎていませんか?   ―「話し上手」より「聞き上手」になりましょう―

 親から見ると、子ども達は未熟で教えたい事や注意したいことが多いことでしょう。しかし、この気持ちをそのまま子ども達にぶつけると、子ども達は絶えず親から何か言われたり、叱られることになってしまいます。しかも、幼少期は一生涯で最も親と過ごす時間が長い時ですので、子どもにとってはたまりません。
こんなお母さんはいませんか。

「年がら年中しゃべり続けている。相手はもちろん子どもです、――あれをしてはダメ!、これはどうしたの?、早くしなさい、ちゃんとやりなさい、そっちへ行ってはいけないって言ったでしょう――本当によくしゃべります。それなのに、子ども達が話そうとすると、“ママは忙しいの”と言って、子ども達の話をゆっくり聞いてやろうとしない。もっと口数を少なくして、子ども達を育てる方法は考えられないのでしょうか。」

 しかし、子どもをじっくり観察することができる人は、子どもは対人関係には驚くほど直観力が敏感で相手の気持ちを読もうとしていることに気付くはずです。子ども達は言葉の未熟さを補うかのように、表情やしぐさ、声のトーンから大人の真意を読み取ろうと真剣そのものです。従って大人は子ども達には、ワイワイ言うより「聞き上手」を心掛けて必要最小限の分かりやすい言葉で対応してやった方がずっと良いのです。実はこのことについては、保育者は経験上みんな知っていることで、保育上手な教師は大きな声も出さなければ必要以上に目立ちもせずに、子ども達が生き生きと活動できるように指導します。それに較べて、子どもの話を聞かないでしゃべり続けているお母さんは、自分がしゃべるのに忙しくて、子どもの姿を観察し、しっかり子どもの心を汲みとれていないように思えます。

 また、絶えず子どもに何かを言っているお母さんには、子育てにあせりや不安がちらついています。特に日本のお母さん達はせっかちな傾向があり、まるで「電子レンジ」でクッキーを焼くように、早く子どもが「良い子」になるようにせきたてます。そこには、子どもの性格や成長のプロセスも全て無視されてしまいます。こんな状況の時に、お父さんが強い発言力を持っていれば、「人間は、一生涯を費やしても<良い子>、<良い人間>になるのは難しいので、そんなにあせることないよ!」と、言ってくれるかもしれません。しかし、いわゆる最近の民主的なお父さんは、いとも簡単にお母さんの意見に同調してしまいます。

 親というのは、幼い子ども達にとって、あまりにも大きくて強い存在です。その強い力を持つ親からうるさく言われれば、子ども達は反抗できませんし、いたずらもできません。そして、この場合子ども達は、親にとって「都合の良い子」を演じ続けてしまいますが、このタイプの子ども達は将来の問題行動(いじめ・不登校・家庭内暴力・自殺等)との関係が深いと言われますので、注意が必要です。

 子どもの成長には、時間がかかります。育児を料理で例えれば「クッキーは電子レンジ数分間で焼くのではなく、オーブンレンジで時間をかけてじっくり焼くこと」が大切です。自分がしゃべりすぎて、子どもの正しい姿を見失っていませんか。「話し上手」より、「聞き上手」になり、子どもを注意深く観察して、「子どもとどうつきあったら良いのか」「いつ・どこで・何を話したらよいか」「自分にも反省点はないのか」等を考えられる、真に賢い親になりましょう。
posted by 浦和つくし幼稚園 at 20:51| 園長メッセージ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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