さて、9月当初は家庭での生活が忘れられずに、登園を渋る子が出てくるかも知れません。長引かせない為には、「○○先生が○○ちゃんの顔が見たいと言っていたよ!」とか「幼稚園でお友達が○○ちゃんに会いたいって言ってるよ!」等と優しく話してやり、まずご両親が子どもの心の状態を認め、次に子どもの力を信頼して家庭から園に力強く送り出して下さい。保護者が「園に行きたくない=不登校」と不安になることは一番禁物です。担任と相談しながら問題点を確認して、良い方法を見つけ出していきましょう。
ある教員研修会で某講師は「この地球上で一番尊い仕事は何でしょうか」と問いかけました。しばらく間をおいて講師から「その答えは、子どもを産み育てること、その産み育てることを支える仕事が一番尊い」と、語ってくれました。私は常々思っていたことをズバリ言い切ってくれた講師に、心の中で大きな拍手を送りました。米国の新しい流れの中に、高学歴の女性たちが子どもが小さい間は仕事を離れて「私は私の子どもの母親です」と胸を張って宣言し、子育てに専念する傾向があり、社会のステータスともなっているそうです。女性の自己実現や解放することに、あれ程熱心に取り組んできた米国社会が、日本の「専業主婦」について、最も大切なものとして評価しはじめたことはうれしい限りです。子ども達が物理的な親の保護を必要とする期間はそう長くはありません。子どもが親の愛情と世話を必要とする間はしっかりと親としての務めを果たしてこそ、人間としての正しいあり方だろうと考えます。日本も母親の就業支援に片寄った子育て支援だけでなく、父親がもっと家庭生活に重心を移せる社会に変わっていく必要があると思います。
日本の父親の家事に関わる時間は、先進国の中では一番短いとのデータがありますが、オーストラリアの父親は「夕食は家族みんな一緒にとること」、ニュージーランドの父親は「週に何度か夕食を作ること」等、父親の家事参加は不可欠になっています。また、育児面では学力世界一のフィンランドの父親は、帰宅後、子どもに1日15分は必ず絵本を読んでやっているそうですが、多くの諸外国では父親が自然と家事や育児に参加しているようです。
核家族化が、進んだ現在で、今、子育てはどうあるべきかを考えることは大変難しい問題ですが、「子は宝」として、子どもを大切にしてきた日本の伝統的な子育て文化を継承できるよう、みんなで知恵を出し合い子育て支援策の一層の充実を望んで止みません。
2学期には、運動会をはじめ、年長組の天覧山遠足、秋ヶ瀬遠足、お芋掘り、お相撲さんと遊べるおもちつき会、本物の??サンタさんも来てくれるクリスマス会と多彩な行事が目白押しです。園行事は保育活動にメリハリをつけるとともに、各々の行事のねらいを達成することにより、子ども達は心身ともに成長していきます。当園では、子ども達の発達段階を踏まえて園 行事の内容を厳選して、有意義な活動になるようにしっかりと指導して参ります。
休み明けで、まだ体調が園生活のリズムに戻っていないお子さんもいると思います。生活のリズムを家族ぐるみで見直して、 <早寝・早起き・朝ごはん・朝トイレ>の規則正しい生活ができるようにご協力をお願いします。
さいたま市南区 浦和つくし幼稚園園長 秋本 勇次